作業療法士の実際の難易度を解説します。また作業療法士のレベルや合格にかかる勉強時間や合格率や他の資格との難易度の比較についてそれぞれ具体的に解説します。作業療法士を取得したいと考えている人はぜひ参考にしてみてください。
いきなり結論!作業療法士の難易度
作業療法士の難易度は、医療系国家資格の中では中程度に位置します。合格率は毎年70%前後で推移しており、養成校のカリキュラムをしっかりこなして試験対策を行えば合格できる試験です。
ただし、養成校への入学から資格取得までに最低3年以上かかることや、解剖学・生理学・心理学など幅広い専門知識を習得する必要があることから、決して簡単な資格ではありません。作業療法士の国家試験は年に1回しか実施されないため、試験本番での集中力と総合的な実力が求められます。
作業療法士の合格率と合格ライン
作業療法士の国家試験の合格率は、例年70%前後で推移しています。直近数年の合格率を見ると、2023年度は71.3%、2022年度は76.3%、2021年度は73.2%となっており、医療系国家資格の中では比較的高い合格率の部類に入ります。
合格ラインは、総得点の60%以上の得点が必要とされています。ただし問題の難易度によって合格基準が調整されることがあります。また一般問題と実地問題それぞれで基準点を下回ると不合格になる場合があるため、特定の分野だけに偏らず、バランスよく学習することが重要です。
作業療法士の取得にかかる勉強時間
作業療法士の国家試験に合格するために必要な勉強時間は、養成校での3〜4年間の学習期間を含めると非常に長くなります。国家試験直前の対策勉強だけで換算すると、一般的に500〜1,000時間程度が目安とされています。
養成校に通いながら日々の授業や実習をこなしつつ、国家試験の対策も並行して行う必要があります。特に試験前の6ヶ月間は集中して勉強時間を確保することが合格への近道です。1日3〜4時間の勉強を半年間続けると、約500〜700時間の勉強時間を確保できます。
作業療法士の難易度と他の資格試験の難易度を比較
作業療法士の難易度を他の資格試験と比較することで、作業療法士がどのような位置に位置するのかを理解しやすくなります。ここでは、作業療法士と複数の資格との難易度比較を行います。
作業療法士は医療系国家資格の中では中程度の難易度ですが、比較する資格によってその位置づけは変わってきます。それぞれの資格と詳しく比較してみましょう。
作業療法士と言語聴覚士の難易度を比較
作業療法士と言語聴覚士は、どちらもリハビリテーション分野の医療系国家資格です。難易度を比較すると、両者はほぼ同程度とされています。言語聴覚士の合格率は例年65%〜75%程度で、作業療法士と近い水準です。
試験内容を見ると、作業療法士は身体・精神両面のリハビリテーションに関する知識が問われるのに対し、言語聴覚士は言語・聴覚・嚥下に関する専門知識が中心です。どちらの試験も養成校での学習が前提となっており、難易度的にはほぼ同水準です。作業療法士と言語聴覚士を比べると、作業療法士の方がわずかに合格率が高い傾向があります。
作業療法士と歯科衛生士の難易度を比較
作業療法士と歯科衛生士の難易度を比較すると、作業療法士の方が難しいとされています。歯科衛生士の合格率は例年95%前後と非常に高く、作業療法士の70%前後と比べると大きな差がある。
歯科衛生士の試験は養成校での学習内容を着実に習得していれば合格できるレベルです。一方、作業療法士の試験は出題範囲が広く、身体機能から精神・心理面まで幅広い知識が必要です。作業療法士の試験の方が難易度は高く、より多くの勉強時間が必要になる。
作業療法士と薬剤師の難易度を比較
作業療法士と薬剤師の難易度を比較すると、薬剤師の方が難しいとされている。薬剤師の国家試験の合格率は例年65%〜70%程度ですが、6年間の薬学部での学習が必要であり、取得にかかる期間と学習量が大きく異なる。
薬剤師の試験は化学・生物・薬理など理系の専門知識が深く問われるため、覚えるべき知識量が非常に多くなっている。作業療法士も幅広い知識が必要ですが、薬剤師と比べると必要な勉強量は少ないといえます。総合的な難易度では薬剤師の方が高いと考えてよいでしょう。
作業療法士と弁理士の難易度を比較
作業療法士と弁理士の難易度を比較すると、弁理士の方が圧倒的に難しいとされている。弁理士は日本最難関の資格の一つとされており、合格率は例年6%〜8%程度と非常に低いです。
弁理士の試験は短答式・論文式・口述式の3段階で構成されており、受験から合格まで数年かかることも珍しくありません。作業療法士と弁理士を比べると、難易度は比較にならないほど弁理士の方が上になる。弁理士は理系の高度な専門知識に加え、法律知識も必要とする最難関資格に位置づけられている。
作業療法士と税理士の難易度を比較
作業療法士と税理士の難易度を比較すると、税理士の方が全体的に難しいとされている。税理士の合格率は試験科目ごとに10%〜20%程度であり、5科目すべてに合格する必要があるため、全科目合格までには平均で5〜10年かかることもある。
作業療法士は一発合格が可能な試験であるのに対し、税理士は科目ごとに合格を積み上げる方式です。税理士は会計・税法などの専門知識が深く問われるため、難易度は作業療法士を大きく上回ります。ただし、取得経路や試験の性質が異なるため、単純な比較が難しい面もある。
作業療法士の難易度が高い、難しい理由3選
作業療法士の試験は合格率だけ見ると70%前後と決して低くはありませんが、難しいといわれる理由がいくつかある。ここでは代表的な3つの理由を解説する。
1つ目の理由は、出題範囲が非常に広いことです。作業療法士の国家試験では、解剖学・生理学・病理学・内科学・整形外科学・神経内科学・精神医学・作業療法理論など、多岐にわたる分野から出題される。これらすべての知識を習得するためには養成校での3〜4年間の学習が必要であり、独学での受験は認められていません。
2つ目の理由は、実技・実習が試験合格のための前提条件となっていることです。作業療法士になるには、学科試験に合格するだけでなく、臨床実習を修了することが必要です。実習では実際の患者さんへの対応が求められるため、知識だけでなく実践的なスキルも必要になる。
3つ目の理由は、試験が年1回しか実施されないことです。試験の機会が年に1度しかないため、万が一不合格になった場合は1年間待つ必要です。このプレッシャーが作業療法士の試験の難しさをより一層感じさせる要因となっている。
作業療法士に合格するための勉強のポイント4選
作業療法士の国家試験に合格するためには、効率的な勉強方法を押さえることが大切です。ここでは、作業療法士の試験に合格するための勉強のポイントを4つ紹介する。
1つ目のポイントは、過去問を繰り返し解くことです。作業療法士の国家試験は過去問と類似した問題が出題される傾向がある。過去5〜10年分の過去問を繰り返し解くことで、出題傾向をつかみ、効率よく得点力を高めることもできる。
2つ目のポイントは、苦手分野を克服することです。作業療法士の試験は出題範囲が広いため、特定の分野が苦手なままでは合格が難しくなる。模擬試験や過去問を通じて自分の苦手分野を把握し、集中的に学習する時間を設けることが大切です。
3つ目のポイントは、グループ学習を活用することです。養成校の同期と一緒に勉強することで、お互いに知識を補完し合うこともできる。特に口頭で説明し合うことで理解が深まり、記憶の定着にもつながる。
4つ目のポイントは、体調管理を徹底することです。作業療法士の試験直前に体調を崩してしまうと、これまでの努力が無駄になってしまいる。睡眠時間を確保し、規則正しい生活リズムを維持しながら勉強を続けることが、合格への重要な要素です。
作業療法士にかかる勉強時間を大学受験の偏差値や他の試験と比較
作業療法士の国家試験に必要な勉強時間は、直前対策として500〜1,000時間程度とされている。これを他の試験と比較すると、どのような位置に位置するのかを確認してみましょう。
大学受験(偏差値60程度)に必要な勉強時間は一般的に1,500〜2,000時間程度とされている。大学受験と比べると、作業療法士の試験の直前対策は比較的少ない時間で準備できる。ただし、作業療法士は養成校での3〜4年間の学習が前提となっているため、トータルの学習時間はそれ以上になる。
司法書士の試験には3,000〜5,000時間、公認会計士には3,000〜5,000時間の勉強が必要とされている。これらの難関資格と比べると、作業療法士の国家試験に必要な直前対策の勉強時間は短いといえます。しかし、養成校への通学が必須という点で、一般的な資格試験とは大きく異なる取得経路をたどることになる。
作業療法士の難易度を大学受験の偏差値や他の試験と比較
作業療法士の難易度を偏差値で表すと、おおよそ偏差値55程度に相当するとされている。これは医療系国家資格の中では中程度の難易度に位置する。
大学受験の偏差値で比較すると、日東駒専レベル(偏差値55〜60)に相当する難易度です。理工学部や医学部の難関大学(偏差値65以上)と比べると難易度は低く、一方で弁護士や公認会計士などの最難関資格(偏差値70以上)と比べると、作業療法士の難易度は大きく下回ります。
他の医療系資格との比較では、医師免許(偏差値75以上)や薬剤師(偏差値62程度)より低く、歯科衛生士(偏差値48程度)より高い位置に作業療法士は位置する。作業療法士と理学療法士を比べると、ほぼ同等の難易度といわれており、両者はリハビリ系国家資格として同じくらいの難しさといえる。
作業療法士も含めた難関資格のランキング表
以下の表は、作業療法士も含めた主要な資格の難易度をランキング形式でまとめたものといえる。作業療法士の位置づけをぜひ確認してみてください。
作業療法士も含めた難関資格のランキング表は、順位だけで判断せず、難易度・学習時間・受験条件をあわせて見ることが大切です。自分の現在の知識量や確保できる学習時間によって、取り組みやすい資格は変わる。表では全体像を確認し、気になる資格は公式情報や試験要項も確認してください。
| 順位 | 資格名 | 難易度 | 偏差値 | 取得にかかる勉強時間 |
|---|---|---|---|---|
| 1 | 司法試験 | 最難関 | 75以上 | 8,000〜10,000時間 |
| 2 | 公認会計士 | 超難関 | 72 | 3,000〜5,000時間 |
| 3 | 弁理士 | 超難関 | 70 | 3,000〜5,000時間 |
| 4 | 税理士 | 難関 | 68 | 3,000〜5,000時間 |
| 5 | 医師免許 | 難関 | 65以上 | 養成課程6年以上 |
| 6 | 薬剤師 | やや難 | 62 | 養成課程6年以上 |
| 7 | 社会保険労務士 | やや難 | 62 | 1,000〜1,500時間 |
| 8 | 言語聴覚士 | 中程度 | 57 | 養成課程3〜4年+500〜1,000時間 |
| 9 | 作業療法士 | 中程度 | 55 | 養成課程3〜4年+500〜1,000時間 |
| 10 | 理学療法士 | 中程度 | 55 | 養成課程3〜4年+500〜1,000時間 |
| 11 | 歯科衛生士 | やや易 | 48 | 養成課程3年+300〜500時間 |
参考情報
制度や試験内容は変更される場合がある。最新情報は公式情報もあわせて確認してください。

