電気主任技術者になるには何が必要なのかを解説します。また必要な資格や経験、未経験から目指す方法、求人の探し方、転職までの流れについて具体的に解説します。電気主任技術者を目指す人はぜひ参考にしてみてください。
電気主任技術者になるには、電気主任技術者試験に合格して国家資格を取得することが基本的な方法です。
電気主任技術者は電気設備の保安監督を担う専門家であり、一定規模以上の電気設備を持つ施設には必ず電気主任技術者を選任することが法律で義務付けられています。
電気主任技術者を目指す方は、まず第三種電気主任技術者の資格取得を目標に設定することが大切です。

いきなり結論!電気主任技術者になるには何が必要?
電気主任技術者になるために必要なのは、電気主任技術者免状の取得です。
電気主任技術者免状は第一種、第二種、第三種の3種類があり、それぞれ監督できる電気設備の規模が法律で定められています。
多くの人が最初に目指すのは第三種電気主任技術者であり、この資格を取得することで電気主任技術者としてのキャリアをスタートさせることができます。
未経験から電気主任技術者になる方法
電気に関する知識や経験がまったくない状態から電気主任技術者を目指すことは十分に可能です。
未経験から電気主任技術者を目指す場合は、ビルメンテナンス会社や電気保安法人に入社して現場で電気設備の知識を学びながら、並行して資格取得の勉強を進める方法が現実的です。
電験三種の受験には学歴や実務経験の要件がないため、独学や通信講座を活用しながら電気主任技術者を目指して挑戦することができます。
資格を取って電気主任技術者を目指す方法
電験三種に合格することが、電気主任技術者として働くための最も確実なルートです。
電験三種は理論、電力、機械、法規の4科目で構成されており、すべての科目で合格基準点以上を取ることで電気主任技術者の資格を取得できます。
科目合格制度が設けられているため、3年間かけて少しずつ科目をクリアしていく方法を選ぶことも可能です。電験三種を取得した後はビル管理、工場、病院など多くの職場で電気主任技術者として活躍できます。
経験を活かして電気主任技術者を目指す方法
電力会社や電気工事会社に勤めている方は、実務経験を積んで認定制度で電気主任技術者の資格を取得する方法もあります。
認定取得とは、所定の学歴と実務経験を経済産業省に審査してもらい、試験を受けずに電気主任技術者の資格を取得できる制度です。
認定取得には電気系学科の卒業という学歴要件があるため誰でも利用できる方法ではありませんが、現場の経験が豊富な方にとっては試験合格と並行して検討する価値があります。
電気主任技術者になるために必要な資格
電気主任技術者として電気設備の保安監督を行うためには、電気主任技術者免状が必要です。
電気主任技術者の資格は第一種、第二種、第三種の3段階に分かれており、それぞれの資格が担当できる電気設備の規模が法律で定められています。
第三種電気主任技術者は最大電力500kW未満の電気設備を担当でき、第二種電気主任技術者は17万V未満の電気設備を扱えます。第一種電気主任技術者はすべての規模の電気設備を扱える最上位の資格です。
電験三種の試験は以前は年1回の実施でしたが、令和4年度から年2回実施されるようになり、電気主任技術者を目指す方の受験機会が増えました。
電験三種の合格率はこれまで約10%前後で推移してきましたが、試験が年2回になった影響や出題傾向の変化もあり、令和5年度は12%から13%程度まで上昇しています。
電験二種、電験一種を取得すれば、より大規模な電気設備を持つ事業所や電力会社での就職や転職においても電気主任技術者として高く評価されます。
電気主任技術者になるまでの流れ
電気主任技術者になるまでの流れは、現在の状況によって大きく2つのルートに分かれます。
就職活動中の方や未経験の方が電気主任技術者を目指すルートと、すでに働いている方が転職を通じて電気主任技術者を目指すルートです。
どちらのルートでも電験三種の取得が基本になりますが、アプローチの順序と必要な準備が異なります。自分の現在の状況に合ったルートを選ぶことが大切です。
就職で目指すルート
就職で電気主任技術者を目指す場合は、まずビルメンテナンス会社、電気保安法人、電力会社、電気工事会社などに就職することがスタートです。
入社後に業務を通じて電気設備の実務を学びながら、勤務と並行して電験三種の学習を進めることが一般的な流れです。
電気系の専門学校や工業高校、大学の電気科を卒業して就職する場合は、学校で学んだ知識を活かしながら試験勉強を進められるため、有利な状態で電気主任技術者へのキャリアをスタートさせることができます。資格取得後に電気主任技術者として選任されることでさらなるキャリアアップが期待できます。
転職で目指すルート
異業種から電気主任技術者への転職を目指す場合は、在職中に電験三種を取得してから転職活動に臨む流れが効果的です。
電気主任技術者の有資格者は電気設備業界全体で需要が高く、経験がない状態でも資格を持っていることで採用のチャンスが大きく広がります。
転職先として電気保安法人、ビル管理会社、製造工場、医療機関、商業施設管理会社など幅広い選択肢があり、転職サイトや電気専門の求人サービスを活用することで電気主任技術者の求人を効率よく探せます。
電気主任技術者になるための勉強内容
電験三種に合格するためには、理論、電力、機械、法規の4科目をしっかりと学ぶ必要があります。
理論科目ではオームの法則、キルヒホッフの法則、電磁誘導、静電気など電気の基礎となる知識が問われます。
電力科目では水力発電、火力発電、原子力発電、変電所、送配電線などの設備と技術知識が必要で、電気主任技術者として現場でも役立つ実践的な内容が含まれています。
機械科目は4科目の中で最も出題範囲が広く、変圧器、誘導電動機、直流機、照明、電熱、電動機応用などが含まれており、多くの受験者が苦手とする科目です。
法規科目は電気事業法、電気設備技術基準、電気工事士法などの法律知識を中心に学ぶ必要があり、電気主任技術者の業務に直結する内容が出題されます。
電験三種合格に必要な勉強時間の目安は、電気系の基礎知識がある方で500時間から700時間程度、まったくの初学者から始める場合は1000時間以上が目安とされています。
テキストはオーム社やTACなどから発行されている電験三種向けの参考書が多くの受験者に利用されており、過去問を繰り返し解くことが電気主任技術者試験の合格への最も有効なアプローチとされています。
電気主任技術者になるために必要な実務経験
試験で電気主任技術者の資格を取得する場合は実務経験がなくても受験できますが、認定制度を利用して資格を取得するには実務経験が必要になります。
第三種電気主任技術者を認定で取得する場合、工業高校の電気科卒業後は5年以上、高専や大学の電気系学科卒業後は3年以上の実務経験が一般的に必要とされています。
実務経験として認められるのは電気設備の工事、維持、運転、管理に関する業務であり、電力会社や電気工事会社での経験がこれに該当します。
試験で電験三種を取得した後も、電気主任技術者として選任されてから実際の保安監督業務を経験することがキャリアの基盤になります。
第二種や第一種の電気主任技術者資格の取得を目指す場合は、大規模な電気設備での実務経験があることで転職や昇格においても有利に働きます。
大型商業施設、変電所、工場の大規模設備などで経験を積んだ電気主任技術者は市場価値が高く、年収アップや好条件での転職にも直結します。
電気主任技術者として就職する方法
電気主任技術者として就職するためには、ハローワーク、転職サイト、電気や設備管理専門の求人サービスを積極的に活用することが効果的です。
電気主任技術者の有資格者は需要が高く、特に人手不足が続いている電気保安業界では積極的に採用が行われています。
電気主任技術者の主な就職先としては、電気保安法人、ビルメンテナンス会社、電力会社、製造業の工場、医療機関、商業施設、官公庁施設などがあります。
電気主任技術者の年収は勤務先、地域、経験年数によって幅がありますが、全国平均では400万円から600万円程度が目安です。
東京、神奈川、大阪などの関東圏や都市部では、同じ経験年数でも500万円から750万円程度の求人が多く見られます。一方で地方エリアでは350万円から480万円程度が一般的な水準となり、地域差は100万円から150万円程度生じます。
管理職クラスに昇格した電気主任技術者や、第二種、第一種の上位資格を持つ方は800万円から1000万円を超える年収を得るケースも少なくありません。
電気主任技術者は定年後も活躍できる資格として高く評価されており、60代、70代のシニア層を積極的に採用している企業も多くあります。電気主任技術者の資格は年齢を重ねても有効に機能するため、長期的なキャリア形成という観点からも大きな価値があります。
電気主任技術者になる前に知っておくべき注意点
電気主任技術者を目指すうえで、あらかじめ理解しておくべき注意点がいくつかあります。
まず電験三種は合格率が10%前後という難易度の高い試験であり、しっかりとした学習計画を立てて長期的に取り組む覚悟が必要です。
4科目すべてに合格する必要がありますが、科目合格制度があるため3年間で合格した科目を積み上げていく方法が多くの受験者に選ばれています。焦らず計画的に学習を進めることが電気主任技術者への近道です。
電気主任技術者として選任されると、担当する電気設備の保安監督に関して法的な責任を負うことになります。
電気事故や設備トラブルが発生した際には、電気主任技術者として責任ある対応が求められるため、専門知識の継続的な向上と強い責任感が欠かせません。
また電気主任技術者の業務は年次点検、月次点検などの定期的な保安業務に加えて、緊急時の対応も求められるため、体力的な負担や不規則な呼び出しにも備える必要があります。
電気技術は日々進化しており、太陽光発電設備や蓄電池システムなど新しい電気設備への対応力を高めるために、電気主任技術者として継続的な学習と情報収集が必要です。
電気主任技術者に関するよくある質問
電気主任技術者を目指す方からよく寄せられる質問をまとめました。
電験三種に学歴や年齢の制限はありますか?
電験三種に受験資格は一切なく、学歴、年齢、実務経験を問わずに誰でも受験できます。高校生から定年後のシニアまで幅広い方が受験しており、電気主任技術者は年齢に関係なく目指せる資格です。
電気主任技術者の仕事は女性でも目指せますか?
電気主任技術者の仕事は知識と判断力が重視される監督業務であるため、女性でも十分に活躍できます。近年は女性の電気主任技術者も増えており、電力会社やビル管理会社では積極的に女性有資格者を採用しています。
電験三種と電験二種はどちらを先に取ればいいですか?
電験三種の取得を先に目指すことをおすすめします。電験二種の試験は電験三種よりもさらに難易度が高く、電験三種の知識をしっかり身につけたうえで電気主任技術者としてステップアップしていくのが一般的な流れです。
電気主任技術者の資格は更新が必要ですか?
電気主任技術者の免状には有効期限がなく、取得後の更新手続きは不要です。ただし事業所に電気主任技術者として選任された後は、国が定める保安教育や研修への参加が推奨されています。
電験三種の勉強は独学で可能ですか?
独学での合格者も多くいますが、勉強時間と学習の質が重要になります。市販のテキストと過去問集を活用した独学は費用を抑えられますが、理解しにくい部分で行き詰まることもあります。通信講座やオンライン学習サービスを組み合わせることで、より効率的に電気主任技術者の試験対策を進めることができます。
電気主任技術者は将来性がある職業ですか?
電気主任技術者は将来にわたって需要が続く職業です。再生可能エネルギーの普及や電気設備の高度化が進む中で、電気主任技術者の専門知識を持つ有資格者への需要はさらに高まっていくと考えられます。社会インフラを支える重要な役割を担う電気主任技術者は、安定したキャリアを築きやすい職業のひとつです。

