ITストラテジストになるには?難しい?試験の受験資格やよくある質問を解説

ITストラテジストの試験を受験するために必要な受験資格について解説します。またITストラテジストの価値や合格したらできることや実際の仕事内容についても合わせて解説します。ITストラテジストに合格するためのやるべき勉強の順番から具体的や勉強スケジュールの目安も合わせて解説します。

いきなり最終結論!ITストラテジストに必要な受験資格

ITストラテジスト試験は、独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が主催する情報処理技術者試験の最高峰に位置する国家試験です。

ITストラテジスト試験には、受験資格の制限は一切ありません。年齢や学歴、実務経験の有無に関わらず、誰でも受験申し込みができます。試験は年に1回、秋期(10月)に実施されます。受験料は7,500円(税込)で、申し込みはIPAの公式サイトから行います。

ただし、受験資格がないからといって誰でも簡単に合格できる試験ではありません。ITストラテジストは情報処理技術者試験の中で最も難しい区分の一つであり、合格のためには相応の準備が必要です。受験資格の制限がないという点は、幅広い人が挑戦できるという意味では大きなメリットです。

ITストラテジストは難しい?実際の難易度

ITストラテジスト試験の合格率は例年15%前後で推移しており、情報処理技術者試験の中でも最高難度の試験に位置付けられています。

試験は午前I、午前II、午後I、午後IIの4区分で構成されており、それぞれの区分で基準点である60点以上を取得しなければなりません。午前試験は多肢選択式ですが、午後I試験は記述式、午後II試験は2,000字以上の論文を作成する論述式となっています。

特にITストラテジスト試験の難しさは、午後II試験の論述式にあります。2時間以内に2,000字以上の論文を書き上げる必要があり、実際のITストラテジストとしての業務経験や思考力が問われます。技術知識だけでなく、経営課題を分析してITで解決する視点が求められるため、純粋な技術者には難しく感じる内容です。

ITストラテジスト試験の偏差値は67〜68程度とされており、弁護士や公認会計士と比べると難易度は低いですが、IT系の資格の中では最高峰クラスに位置します。

ITストラテジストの合格までにかかる平均的な勉強時間・期間

ITストラテジスト試験の合格に必要な勉強時間は、受験者のバックグラウンドによって大きく変わります。IT業務の経験が豊富な場合でも、500〜1,000時間程度が必要とされることが多いです。

IT知識がある程度ある人であれば、最低でも6ヶ月から1年間の準備期間を設けることが望ましいです。すでに応用情報技術者試験に合格している場合は、午前I試験が免除されるため、その分の勉強時間を他の対策に充てることができます。

ITストラテジスト試験の勉強で特に時間がかかるのは、午後II試験の論文対策です。合格者の多くが論文対策に最も時間を費やしたと述べており、単に知識を詰め込むだけでなく、実際に論文を書く練習を繰り返すことが重要です。

勉強スケジュールの目安としては、試験の6ヶ月前から開始し、最初の2ヶ月で午前試験の知識を固め、次の2ヶ月で午後I試験の記述対策を行い、残りの2ヶ月を集中的に論文対策に充てるという流れが効果的です。

ITストラテジストの実際の仕事内容

ITストラテジストは、企業の経営戦略とIT戦略を連携させ、ITを活用した経営課題の解決を推進する役割を担います。

具体的な仕事内容としては、まず企業の経営環境や業務課題を分析し、IT投資の方向性を決定するIT戦略の立案があります。次に、システム化計画を策定し、どのようなITシステムを導入するかの構想を練る業務があります。また、外部ベンダーとの調整や契約交渉、プロジェクト全体の方向性を管理する役割も担います。

ITストラテジストは、CIO(最高情報責任者)やIT戦略部門のマネージャーとして活躍するケースが多いです。また、ITコンサルティングファームやシステムインテグレーターにおいて、顧客企業のIT戦略を支援するコンサルタントとしても活躍します。

ITストラテジストの仕事では、技術者としての知識に加えて、財務会計、マーケティング、組織論などのビジネス知識も必要です。経営層と技術部門の橋渡しをする存在として、コミュニケーション能力も重要な素養の一つになる。

ITストラテジストになるまでの順番

ITストラテジストを目指す場合、段階的なステップを踏んで準備を進めることが合格への近道です。

最初のステップとして、基本情報技術者試験に合格することをお勧めする。ITの基礎知識を体系的に学べるこの試験は、ITストラテジストに必要な知識の土台となる。次に応用情報技術者試験への挑戦です。応用情報技術者試験はITストラテジスト試験の午前I試験免除資格を取得できるため、効率よく対策を進めることもできる。

応用情報技術者試験に合格したら、実務でのIT戦略立案やプロジェクト管理の経験を積みながら、ITストラテジスト試験の勉強を進める。経営戦略やマーケティング、財務会計などの知識を学ぶ機会も積極的に設けましょう。

最終的にITストラテジスト試験に臨む段階では、過去問演習と論文対策を徹底的に行う。ITストラテジストの資格取得は一朝一夕では達成できませんが、計画的に取り組むことで着実に合格に近づけます。

ITストラテジストになるために必要な勉強内容

ITストラテジスト試験の勉強内容は、午前試験対策と午後試験対策に大別できる。

午前I試験はITや情報処理に関する基礎知識問題で、応用情報技術者試験レベルの知識が問われる。応用情報技術者試験に合格していれば免除されるため、その分の労力を午後試験対策に集中させましょう。午前II試験はITストラテジストの専門知識が問われる問題で、情報戦略、システム戦略、経営戦略、技術戦略マネジメントなどの分野から出題される。

午後I試験は長文の事例問題を読み解き、設問に対して記述で回答する形式です。問題文に書かれた情報を正確に整理して、簡潔かつ的確に答える練習が必要です。過去問を繰り返し解くことで、問題のパターンや解答の書き方を身につけることもできる。

午後II試験は論文試験で、ITストラテジストとしての立場から特定のテーマに沿って2,000字以上の論文を作成する。自分の業務経験を活かして具体的な事例を盛り込んだ論文を複数本準備しておくことが合格への鍵です。ITストラテジスト試験の合格論文集などの参考書を活用し、合格レベルの論文の書き方を学ぶことをお勧めする。

勉強に使う教材としては、IPAが公開している過去問題や模範解答が最も信頼性が高いです。市販のITストラテジスト試験対策テキストや問題集も有効に活用してください。

ITストラテジストに関するよくある質問

ITストラテジストに関するよくある質問では、受験前に迷いやすい疑問を整理し、勉強計画を立てる前に確認したい点をまとめます。

ITストラテジストの資格を取るとどんなメリットがありますか?

ITストラテジストの資格を取得することで、IT戦略の専門家として市場価値が高まります。転職市場では高い評価を受けており、年収アップや上位職への昇進につながるケースが多いといえる。また、企業によってはITストラテジストの資格保持者に資格手当を支給しているところもある。国家資格であるため、社会的な信頼性が高い点も大きなメリットといえる。

ITストラテジストは独学でも合格できますか?

独学での合格は不可能ではありませんが、特に午後II試験の論文対策は独学では難しい部分がある。通信講座や予備校では論文の添削指導を受けられるため、自分の論文の弱点を客観的に把握して改善できる。ITストラテジストの合格を確実に狙う場合は、添削指導が充実した講座の利用を検討することをお勧めする。

ITストラテジストとプロジェクトマネージャーはどちらが難しいですか?

どちらも高度情報処理技術者試験に含まれる最難関資格で、難易度は同程度といえる。合格率を比べるとITストラテジストの方がわずかに低い傾向がある。難しさの方向性が異なるため、経営戦略やIT投資に関わる業務経験がある人はITストラテジストの方が論文を書きやすく、プロジェクト管理の実務経験が豊富な人はプロジェクトマネージャーの方が取り組みやすい場合が多いといえる。

ITストラテジスト試験に合格するには実務経験が必要ですか?

試験の受験に実務経験は不要ですが、合格するためには実際の業務経験を論文に反映させることが押さえておきたい点といえる。実務経験がない場合は、書籍やケーススタディなどを活用して、架空の経験を設定して論文を作成する方法もある。ただし、実際の業務経験に基づいた論文の方が説得力があるため、実務経験を積んでから受験することがより確実な合格につながる。

ITストラテジスト取得後のキャリアはどうなりますか?

ITストラテジストの資格を取得した後は、CIOやIT部門のトップマネジメントへのキャリアパスが開けます。また、ITコンサルタントとして独立する道も広がります。企業のDX推進担当者として重用されるケースも増えており、ITストラテジストの資格はデジタル変革を推進する人材の証明として機能する。

関連資格ランキング表

ITストラテジストと関連性の高い情報処理技術者試験および関連資格を難易度順にまとめました。ITストラテジストを目指す際のステップアップ参考にしてください。

関連資格ランキング表は、順位だけで判断せず、難易度・学習時間・受験条件をあわせて見ることが大切です。自分の現在の知識量や確保できる学習時間によって、取り組みやすい資格は変わる。表では全体像を確認し、気になる資格は公式情報や試験要項も確認してください。

順位 資格名 難易度 偏差値 取得にかかる勉強時間
1 ITストラテジスト 最難関 67 500〜1,000時間
2 プロジェクトマネージャー 難関 66 500〜900時間
3 システムアーキテクト 難関 65 400〜800時間
4 応用情報技術者 普通 60 200〜500時間
5 基本情報技術者 普通 55 100〜300時間

参考情報

制度や試験内容は変更される場合がある。最新情報は公式情報もあわせて確認してください。