言語聴覚士になるには?必要な資格や未経験から目指す方法を解説

言語聴覚士になるには何が必要なのかを解説します。また必要な資格や経験、未経験から目指す方法、求人の探し方、転職までの流れについて具体的に解説します。言語聴覚士を目指す人はぜひ参考にしてみてください。

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いきなり結論!言語聴覚士になるには何が必要?

言語聴覚士になるには、厚生労働大臣が認定する国家資格である言語聴覚士免許を取得することが必要です。
言語聴覚士は話すこと・聞くこと・食べることに困難を抱える方のリハビリを専門とする医療専門職であり、病院や介護施設・教育機関など幅広い現場で活躍しています。
資格を得るためには文部科学大臣または厚生労働大臣が指定した養成課程を修了し、年に1度実施される国家試験に合格することが必須です。

国家試験の合格率はおよそ60%から70%程度で推移しており、2024年度の試験では合格率が68.1%となっています。
養成課程は4年制大学・3年制専門学校・2年制の専攻科など複数の種類があり、入学前の学歴や年齢によって適したルートが異なります。
言語聴覚士を目指す方はまず自分の状況に合った養成校を選ぶことが、スムーズな資格取得への第一歩になります。

未経験から言語聴覚士になる方法

言語聴覚士の経験や知識がまったくない方でも、指定の養成課程に入学することで言語聴覚士を目指すことができます。
高校卒業後に4年制大学または3年制の専門学校の言語聴覚士コースに入学し、必要な単位と臨床実習を修了してから国家試験を受験するルートが最も一般的です。
養成校によっては夜間課程を設けているところもあるため、社会人や他の仕事をしながらでも言語聴覚士の資格取得を目指せる環境が整っています。

夜間課程の場合は修業年限が昼間課程より1年長いケースが多く、3年制の昼間課程に相当する夜間課程では4年間の修業が必要になることがあります。
働きながら学ぶことで学費の一部を自分で賄えるメリットがある一方、体力面・時間面での負担が大きくなるため、進学前にしっかりと計画を立てることが重要です。
未経験から言語聴覚士を目指す場合はまず複数の養成校を比較して、カリキュラムや実習先・学費・通学の利便性を確認してから進学先を決めることをおすすめします。

資格を取って言語聴覚士を目指す方法

言語聴覚士として正式に医療現場で働くためには、言語聴覚士の国家資格を取得することが法律上の必須条件です。
この資格は独学では取得できず、必ず指定の養成課程を修了したうえで国家試験に合格しなければなりません。
大学・短期大学・高等専門学校を卒業した方は、指定の2年制専攻科または専門学校の2年制課程に進学することで受験資格を得られます。

2年制の課程を選ぶことで高校卒業後から数えると6年間の学習期間が必要になるため、長期的な視点でキャリア設計をすることが大切です。
一方で4年制大学を卒業した社会人が2年制の養成課程に入学した場合は最短2年で受験資格を得られるため、年齢的なハードルを感じている方にも現実的なルートです。
言語聴覚士の資格は更新制度がなく、一度取得すれば生涯有効な国家資格であることも大きなメリットのひとつです。

経験を活かして言語聴覚士を目指す方法

看護師・理学療法士・作業療法士・介護福祉士など他の医療・福祉系の職種として働いた経験を持つ方は、その現場感覚を活かしながら言語聴覚士を目指すことができます。
リハビリ職の経験があれば患者さんの心理的なサポートや多職種連携の方法について事前知識があるため、養成課程の実習でスムーズに対応できる場面が多いです。
また医療機関で働いていた経験がある場合は、就職活動においても職場環境への適応力をアピールしやすいという利点があります。

特に作業療法士や理学療法士として数年以上の実務経験を積んでいる方は、言語聴覚士のダブルライセンスを取得することで専門性が格段に高まります。
嚥下リハビリや認知リハビリの分野では複数のリハビリ資格を持つ職員へのニーズが高く、職場での評価や年収アップにつながるケースも見られます。
経験を活かして言語聴覚士を目指す場合は、現在の職場の理解を得ながら学業との両立を図ることが重要なポイントです。

言語聴覚士になるために必要な資格

言語聴覚士になるために必要な資格は、国家資格である言語聴覚士免許の1つだけです。
この免許は1997年に制定された言語聴覚士法に基づくもので、指定の養成課程を修了した後に毎年2月に実施される国家試験に合格することで交付されます。
試験科目は基礎医学・音声言語医学・心理学・言語学・聴覚医学・嚥下医学・リハビリテーション医学・言語聴覚障害学総論など非常に多岐にわたります。

2024年度の国家試験では受験者数が2,979名、合格者が2,031名となり合格率は68.1%でした。
新卒者の合格率は80%前後であるのに対して、既卒者の合格率は30%から40%程度にとどまることが多く、養成課程での学習を充実させることが国家試験合格への最短ルートとなります。
言語聴覚士以外にも、取得しておくと評価が上がる関連資格として摂食嚥下リハビリテーション学会認定士や日本言語聴覚士協会による認定言語聴覚士などがあります。

認定言語聴覚士は資格取得後に一定年数の実務経験と研修受講を経てはじめて取得できる上位資格であり、失語・高次脳機能障害・嚥下障害・聴覚障害・小児言語発達障害など複数の専門領域に分かれています。
これらの認定資格は就職後のキャリアアップや専門性をアピールするうえで役立つものであり、経験を積みながら段階的に取得を目指す方が多いです。
まずは言語聴覚士の国家試験合格を最優先の目標として取り組んだうえで、その後のキャリア設計の中で追加の資格取得を検討することをおすすめします。

言語聴覚士になるまでの流れ

言語聴覚士になるまでの大まかな流れは、養成校選び・入学試験・養成課程での学習・臨床実習・国家試験受験・免許交付・就職という順番になります。
就職を前提とした新卒ルートと、社会人経験後に転職を目指すルートの2種類があり、それぞれ進め方が異なります。
自分の年齢・学歴・経済的な状況に合ったルートを選ぶことが、言語聴覚士を目指すうえで大切な第一歩です。

就職で目指すルート

高校卒業後に言語聴覚士を目指す場合は、まず4年制の言語聴覚士養成大学または3年制の専門学校に入学することからはじまります。
在学中は言語学・音声学・聴覚医学・嚥下医学・神経内科学・心理学など幅広い専門科目を学びながら、3年次や4年次に病院や施設での臨床実習を経験します。
卒業後に国家試験を受験して合格すると言語聴覚士免許が交付されるため、免許証を手にした後に本格的な就職活動を進める流れになります。

新卒の言語聴覚士を採用する職場は医療機関から介護施設・特別支援学校・発達支援センターまで多岐にわたり、養成校のキャリアサポートや実習先とのつながりを活用して就職先を決める方が多いです。
初任給の水準は勤務先によって異なりますが、関東圏の病院では月給22万円から25万円程度、地方の施設では20万円から22万円程度のケースが多い状況です。
就職活動では自分が専門を深めたい領域を事前に明確にしておくと、面接でのアピールがしやすくなります。

転職で目指すルート

すでに社会人として働いている方が言語聴覚士への転職を目指す場合は、現職を続けながら夜間課程を持つ養成校に入学するか、退職して昼間課程に専念するかを選択することになります。
大学や短期大学・高等専門学校の卒業者は2年制の養成課程に入学できるため、最短2年間で国家試験の受験資格を得られます。
30代・40代での転職でも言語聴覚士を目指すことは十分に可能であり、実際に異業種からの転身者も多く活躍しています。

退職して学業に専念する場合は収入が途絶えるため、貯蓄や奨学金・教育ローン・給付型支援制度を活用する計画を事前に立てることが重要です。
養成課程に通う費用は専門学校で250万円から400万円程度、4年制大学では500万円から700万円程度かかることが多く、費用面の準備が転職成功の鍵を握ります。
転職後の年収は勤務先と経験年数によって異なりますが、転職1年目から3年目は年収350万円から400万円程度が多く、経験を積むにつれて年収450万円以上を目指せる職種です。

言語聴覚士になるための勉強内容

言語聴覚士の養成課程では、医学・言語学・心理学・リハビリテーション科学など複数の分野を横断した専門知識を体系的に学びます。
具体的な勉強内容としては、基礎医学(解剖学・生理学・神経学)・音声言語医学・聴覚医学・嚥下医学・小児科学・心理学・言語学・特別支援教育・リハビリテーション医学などが挙げられます。
これらはすべて言語聴覚士の国家試験の出題範囲に含まれており、偏りなく学習することが合格への条件となります。

特に力を入れて学ぶべき分野として、嚥下障害のリハビリと失語症の評価・訓練があります。
嚥下障害は脳卒中や神経疾患の後遺症として多くの方が経験するものであり、言語聴覚士が中心となって対応するリハビリ領域です。
養成校では嚥下造影検査の見方や嚥下機能評価ツールの使い方、間接訓練・直接訓練の方法を実習を通じて習得します。

また聴覚障害の評価と補聴器・人工内耳に関する知識も重要な学習テーマです。
言語聴覚士は補聴器の適合調整を行える数少ない専門職のひとつであり、聴覚分野のニーズは高齢化とともに年々高まっています。
さらに子どもの言語発達遅滞や自閉スペクトラム症への支援方法も養成課程で学ぶため、小児・医療・福祉の複数分野で活躍できる知識を身につけることができます。

言語聴覚士になるために必要な実務経験

言語聴覚士の国家試験を受験するために必要なのは、養成課程の修了という学歴要件のみであり、試験受験前に別途実務経験が必要なわけではありません。
ただし養成課程のカリキュラムには必ず臨床実習が含まれており、この実習が実質的な実務経験として位置づけられています。
臨床実習は一般的に3年制や4年制の後半の学年に集中して行われ、合計で6週間から1年程度の実習期間が設定されていることが多いです。

実習先は病院・介護老人保健施設・特別支援学校・発達支援センターなど多岐にわたり、学校によって実習先の傾向が異なります。
臨床実習では実際の患者さんや利用者さんを担当しながら、担当の言語聴覚士のスーパーバイザーから評価・訓練計画・記録の書き方などを直接指導してもらいます。
この実習経験が国家試験後の就職活動でも評価されることが多く、実習先がそのまま就職候補となるケースも珍しくありません。

資格取得後も言語聴覚士として専門性を高めるためには継続した実務経験の積み上げが重要です。
日本言語聴覚士協会では認定言語聴覚士の資格制度を設けており、3年以上の実務経験と規定の研修単位の取得を条件に専門領域での認定資格を取得することができます。
実務経験を積みながら認定資格の取得を目指すことは、言語聴覚士としての専門性を高めて年収や職場での評価を上げる有効な方法のひとつです。

言語聴覚士として就職する方法

言語聴覚士として就職するためには、まず国家試験に合格して言語聴覚士免許を取得することが必須です。
免許取得後は、医療・福祉・教育・行政など幅広い職場への就職活動が可能になります。
主な就職先として総合病院のリハビリテーション科・リハビリテーション専門病院・介護老人保健施設・特別支援学校・発達障害支援センター・在宅訪問看護ステーションなどが挙げられます。

就職活動の方法としては、養成校のキャリアセンターが提供する求人情報の活用が最初に検討すべき手段です。
多くの養成校は医療機関や施設と実習を通じてつながりを持っているため、実習先が就職先になるケースも少なくありません。
また医療専門職向けの求人サイトや転職エージェントを活用することで、希望の勤務地・専門領域・年収条件に合った求人を効率よく探すことができます。

言語聴覚士の年収は勤務先の規模と地域によって大きな差があります。
東京・神奈川・大阪などの都市部では年収420万円から480万円程度の求人が見られる一方、地方では350万円から400万円程度が多い傾向です。
同じ都市部でも大規模病院と小規模診療所では年収差が50万円から100万円程度生じることがあるため、求人選びの際には給与条件だけでなく専門性が磨ける環境かどうかも重視することをおすすめします。

言語聴覚士になる前に知っておくべき注意点

言語聴覚士を目指す前に、いくつかの点を事前に理解しておくことが大切です。
まず養成課程の学習量は非常に多く、国家試験の範囲も広範囲にわたるため、合格するためには養成校での学習期間をしっかりと活用する覚悟が必要です。
特に既卒受験者の合格率が30%から40%程度と低いことを踏まえると、新卒の段階でしっかりと合格を決めることが重要なポイントになります。

次に言語聴覚士の仕事はリハビリの成果が出るまでに時間がかかることが多く、患者さんの回復スピードに焦りを感じないメンタルの強さが求められます。
嚥下障害や失語症のリハビリは1年・2年にわたる長期的な関わりになることも多く、患者さんの小さな変化を見逃さず寄り添い続ける根気と観察力が必要です。
また医師・看護師・理学療法士・作業療法士・管理栄養士などの多職種と連携してチーム医療を進めるため、コミュニケーション能力も言語聴覚士として重要なスキルのひとつです。

費用面では養成課程への入学にかかる費用が専門学校で250万円から400万円程度、4年制大学では500万円から700万円程度と大きな支出になります。
日本学生支援機構の奨学金や各都道府県が設ける医療職への修学資金貸付制度を利用することで、費用負担を軽減できる可能性があります。
特に修学資金貸付制度は貸付後に一定期間その自治体内の医療機関等で勤務することで返済が免除されるケースもあるため、積極的に活用することをおすすめします。

言語聴覚士に関するよくある質問

ここでは言語聴覚士を目指す方からよく寄せられる質問を取り上げて、具体的に回答します。

言語聴覚士になるために年齢制限はありますか?

言語聴覚士の国家試験には年齢制限が設けられていません。
養成校への入学要件でも年齢を制限している学校はほとんどなく、30代・40代で入学して資格を取得した方も多くいます。
ただし入学後の学習負担や実習の体力的な消耗を考えると、事前の健康管理と生活設計の見直しも意識しておくことが大切です。

言語聴覚士の仕事内容はどのようなものですか?

言語聴覚士は話す・聞く・食べるという機能に困難を抱える方を対象にリハビリを提供する専門職です。
具体的には失語症・構音障害・吃音・聴覚障害・嚥下障害・言語発達遅滞・自閉スペクトラム症などを持つ患者さんや利用者さんに対して評価を行い、個別の訓練計画を作成して継続的な支援を提供します。
小児から高齢者まで幅広い年代を対象とするため、勤務する施設や専門分野によって仕事内容が大きく異なるのも言語聴覚士の特徴です。

言語聴覚士の将来性はどのくらいありますか?

日本の超高齢社会が進む中で、嚥下障害や認知機能低下に対するリハビリの需要は今後さらに高まることが見込まれます。
言語聴覚士の有資格者数は2024年時点でおよそ4万人程度とされており、理学療法士や作業療法士と比べて絶対数が少ないため需給バランスが安定しています。
訪問リハビリ・小児分野・地域包括ケアシステムへの参入が広がっており、言語聴覚士の活躍の場は今後ますます多様化していくことが期待されています。

言語聴覚士と作業療法士の違いは何ですか?

言語聴覚士は話す・聞く・食べるというコミュニケーションおよび嚥下機能に特化したリハビリを行う専門職です。
作業療法士は日常生活動作の回復を目標に、食事・着替え・入浴などの作業能力のリハビリを担います。
どちらもリハビリを専門とする国家資格ですが、対象とする機能領域と支援内容に明確な違いがあり、言語聴覚士はコミュニケーションと嚥下に特化している点が大きな特徴です。