作業療法士の仕事内容を解説!1日の流れやきつい点も紹介

作業療法士の仕事内容について解説します。また1日の仕事の流れや職場別の仕事内容、きつい点、やりがい、必要なスキル、向いている人について具体的に解説します。作業療法士の仕事を知りたい人はぜひ参考にしてみてください。

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いきなり結論!作業療法士の仕事内容

作業療法士の仕事内容は、身体・精神・発達上の障害を持つ患者さんに対して、日常生活に必要な作業活動を通じてリハビリテーションを提供することです。

医師の指示のもと、患者さんの身体機能・認知機能・日常生活動作能力を評価し、個別の治療計画を立案してリハビリを実施します。

作業療法士は患者さんが「その人らしい生活」を取り戻せるよう、専門的な知識と技術を活かして多方面からサポートする職業です。

作業療法士の基本的な仕事内容

作業療法士の基本的な仕事内容は、評価・訓練・指導・環境調整の4つに大別されます。

評価では患者さんの身体機能や認知機能、日常生活動作能力を詳しく調べます。その結果をもとに治療計画を立て、食事・入浴・更衣・調理といった日常生活動作の訓練を個別に行います。

家族への介助方法の指導や、福祉用具の選定・住環境の改修提案も作業療法士の重要な仕事内容のひとつです。患者さんの退院後の生活を見据えた支援が作業療法士には常に求められます。

作業療法士の職場別の仕事内容

作業療法士の職場は多岐にわたり、勤務先によって仕事内容が大きく変わります。

病院に勤務する作業療法士は、急性期・回復期・慢性期それぞれで仕事内容が異なります。急性期では早期離床を目指した基本動作訓練が中心で、回復期では日常生活動作の全般的な回復を目指した集中的なリハビリを実施します。

介護老人保健施設や特別養護老人ホームで働く作業療法士の仕事内容は、高齢者の生活機能維持が主な目的です。訪問作業療法を担う作業療法士は患者さんの自宅に赴き、実際の生活環境に合わせた訓練や住宅改修の提案を行います。

特別支援学校や児童発達支援センターに勤務する作業療法士は、感覚統合療法や遊びを通じたアプローチで子どもの発達を促すことが仕事内容の中心となります。精神科領域では、統合失調症やうつ病などを抱える患者さんの社会復帰を目的とした作業プログラムの立案・実施も作業療法士の大切な仕事内容です。

作業療法士の忙しい時期の仕事内容

作業療法士の仕事が特に忙しい時期は、年度末から新年度にかけての3月から4月にかけてです。

この時期は患者さんの退院・転院が集中し、退院時要約の作成や次の施設への引き継ぎ業務が一気に増えます。新入職員の指導や新患対応も重なるため、作業療法士にとって最も多忙な季節といえます。

診療報酬改定が行われる年(2年ごと)には、新しい算定要件の理解や書類対応に追われるため、作業療法士の事務的な仕事内容が一時的に大きく増加します。普段から業務効率を意識しておくことが、繁忙期を乗り越えるうえで重要です。

作業療法士の1日の仕事の流れ

作業療法士の1日の仕事の流れは、勤務先によって多少異なりますが、病院に勤務する場合を例にご紹介します。

8時30分ごろ出勤し、まず申し送りに参加してその日の患者さんの状態を把握します。夜間に体調の変化があった患者さんや、新たに入院してきた患者さんの情報を確認し、当日のリハビリ計画を微調整します。

9時ごろから午前のリハビリ業務が始まり、患者さん1人あたり20分から40分の個別訓練を複数名に対して続けて行います。午前中だけで4名から6名の患者さんを担当することも珍しくありません。

12時から13時は昼休憩を取り、午後も引き続きリハビリを実施します。午後は集団訓練やレクリエーション活動など、グループでの作業療法プログラムを実施する職場も多くあります。

16時ごろからはカルテ記録・治療計画書の作成・多職種カンファレンスへの参加などの事務作業が中心となります。カンファレンスでは医師・看護師・理学療法士・言語聴覚士・社会福祉士などと連携し、患者さんの退院に向けた方針を話し合います。

17時30分ごろに業務が終了しますが、書類作成やカンファレンスが重なる日は残業が発生することもあります。作業療法士の1日は患者さんと向き合う時間が長い一方で、記録や書類作業も相当な割合を占めていることが特徴です。

作業療法士のきつい仕事内容

作業療法士の仕事はやりがいが大きい一方で、体力的にも精神的にも負担が重い場面があります。

作業療法士がきついと感じる仕事内容を、体力面と精神面に分けて詳しくご説明します。

体力的にきつい仕事

作業療法士の体力的にきつい仕事内容として、患者さんの移乗介助や歩行訓練の補助が挙げられます。

特に回復期病院や介護施設では、体重の重い患者さんの介助を1日に何度も行うことがあります。医療・介護従事者の腰痛有病率は一般人口の約2倍以上ともいわれており、作業療法士も同様のリスクを日常的に抱えています。

立ち仕事が多く1日の歩数が1万歩を超えることも珍しくないため、足や腰への負担は相当なものです。ボディメカニクスの活用や日常的な体幹トレーニングで自身の体を守る努力が、作業療法士には求められます。

また、訪問作業療法を担当する作業療法士は、移動時間や移動による疲労も加わります。狭い住宅環境でのリハビリ対応や、段差の多い環境での介助補助なども、体への負担を増やす要因のひとつです。

精神的にきつい仕事

作業療法士の精神的にきつい仕事内容として、患者さんの状態悪化や死に立ち会う経験が挙げられます。

長期間関わってきた患者さんが急変したり亡くなったりする場面は、作業療法士にとって大きな精神的負担になります。また回復が思うように進まない場合に、患者さんや家族からの期待に応えられず罪悪感を覚える作業療法士も少なくありません。

チーム医療の現場では多職種との連携が不可欠なため、コミュニケーションの難しさがストレスになることもあります。職種間の意見の相違や、業務分担の不明確さから生じるトラブルに悩む作業療法士も一定数存在します。

精神的健康を保つためにスーパービジョンやスタッフ間のサポートを積極的に活用することが大切です。職場内だけでなく、作業療法士の職能団体が提供する研修や相談窓口を利用することも有効な方法です。

作業療法士のやりがいを感じる仕事内容

作業療法士がやりがいを感じる仕事内容として最も多く挙げられるのは、患者さんの回復を間近で見届けることです。

脳卒中後の患者さんが徐々に手の動きを取り戻し、自分でご飯を食べられるようになった瞬間や、認知症の方が長年の趣味であった園芸を再開できたときの笑顔は、作業療法士にとってかけがえのない経験となります。

患者さんだけでなく家族からも感謝される機会が多い点も、作業療法士のやりがいのひとつです。在宅生活への復帰を支援した後に届く感謝の言葉や、患者さんが自分らしい生活を取り戻した姿は、日々の業務に向き合うエネルギーになります。

専門職として成長し続けられる点も作業療法士のやりがいです。作業療法士は認定作業療法士や専門作業療法士といった上位資格を取得することで、より高度な専門性を身につけることができます。専門作業療法士の分野は福祉用具・手外科・認知障害・高次脳機能障害・摂食嚥下など多岐にわたります。

キャリアアップを重ねることで後輩指導・研究活動・地域への貢献など、作業療法士としての仕事内容の幅がさらに広がります。仕事内容を通じて社会に貢献できる実感を持ちやすい点が、作業療法士という職業の大きな魅力です。

作業療法士に必要なスキル

作業療法士に必要なスキルとして、まず挙げられるのは観察力と評価力です。

患者さんのわずかな変化を見逃さず、状態に合わせて治療内容を柔軟に調整できる能力は、作業療法士の仕事において非常に重要です。患者さん自身が言葉にできないサインを察知する観察力が、適切な作業療法の提供に直結します。

次に重要なのがコミュニケーション能力です。作業療法士は患者さん・家族・医師・看護師・社会福祉士など多くの人と連携して仕事を進めます。相手の立場に立って話を聞き、専門用語を使わず分かりやすく説明できる力が欠かせません。

問題解決能力も作業療法士に必要な重要なスキルのひとつです。患者さんごとに障害の状態や生活背景が異なるため、画一的なアプローチではなく個別性の高い治療計画を立案する力が求められます。

最新の医学的知識や作業療法技術を継続的に学ぶ姿勢も、作業療法士として長く活躍するうえで不可欠です。学術学会への参加や資格取得を通じて、自己研鑽を続けることが作業療法士のプロとしての成長につながります。

作業療法士に向いている人

作業療法士に向いている人は、まず人と関わることが好きな方です。

作業療法士の仕事内容は、患者さんとの信頼関係を築きながら行うものがほとんどです。初対面の患者さんとも自然に打ち解けられる温かみのある人柄が、作業療法士には向いています。

次に忍耐力がある方も作業療法士に向いています。リハビリの効果が現れるまでに時間がかかることが多く、数週間・数ヶ月単位で少しずつ前進する患者さんの歩みを根気強く支えられる方は、作業療法士の仕事に非常に適しています。

チームワークを大切にできる方も作業療法士向きです。多職種がひとつのチームとして患者さんを支える医療現場では、自分の意見を適切に伝えながら他の職種の専門性も尊重できる協調性が作業療法士には求められます。

探究心が旺盛な方も作業療法士として活躍しやすいです。作業療法の分野は日々進歩しており、新しい知識や技術を積極的に吸収しようとする姿勢が、患者さんへのより良いサービス提供につながります。体力と精神力の両方を兼ね備えた方が、長く作業療法士として活躍できます。

未経験者が最初に任される仕事

作業療法士として初めて現場に配属された未経験者が最初に任される仕事は、先輩作業療法士の治療見学や補助業務です。

国家資格を持っていても実際の臨床現場では知識と技術のギャップを感じることが多く、最初の数ヶ月は先輩作業療法士の指導のもとで実際の治療の流れを学びます。患者さんへの声かけの仕方やリスク管理の方法を、実地で習得していきます。

その後、症状が比較的安定した患者さんから少人数を担当するようになり、徐々に担当患者数が増えていきます。1年目の作業療法士は10名から15名程度の患者さんを担当することが多く、2年目以降は20名前後を担当するケースが増えてきます。

カルテ記録や治療計画書・リハビリテーション総合実施計画書などの書類作成も、未経験者が早期に習得すべき重要なスキルです。書類作業は作業療法士の仕事内容の中でも大きな割合を占めており、書き方のコツを早い段階で身につけることが現場での評価にもつながります。

プリセプター制度を導入している職場では、特定の先輩作業療法士が1対1でサポートしてくれるため、不安が軽減されやすい環境が整っています。未経験であっても焦らず着実にステップアップできる体制が整っている職場を選ぶことが、作業療法士としての出発点として重要です。

作業療法士に関するよくある質問

作業療法士と理学療法士の違いは何ですか

作業療法士は日常生活動作や社会参加を目的とした作業活動を通じてリハビリを行うのに対し、理学療法士は主に身体機能の回復や歩行能力の改善を目的とした運動療法・物理療法を行います。

作業療法士はより広い視点で患者さんの生活全体を支援する点が特徴で、手芸・調理・園芸といった日常的な作業をリハビリのツールとして活用します。理学療法士が体の動きの回復を担うのに対し、作業療法士はその動きを実生活に結びつける役割を担っています。

作業療法士の平均年収はどのくらいですか

厚生労働省の賃金構造基本統計調査によると、作業療法士の平均年収はおよそ420万円から460万円程度です。

関東圏や都市部では450万円から500万円程度となる場合もありますが、地方では350万円から400万円程度にとどまることも少なくありません。経験年数や役職・勤務先の種別によっても年収は大きく異なります。認定作業療法士や専門作業療法士などの上位資格を取得することで、昇給や手当の加算につながる職場も増えています。

作業療法士になるにはどうすればよいですか

作業療法士になるためには、文部科学省または厚生労働省が認定する養成校(大学・短期大学・専門学校)を卒業し、作業療法士国家試験に合格する必要があります。

養成期間は最短3年から4年です。作業療法士国家試験の合格率はおよそ70%から80%程度で推移しており、しっかりと学習を積めば十分に合格を目指せます。既に他の医療資格や大学卒業資格を持つ方が養成校に入学するケースも増えており、社会人からの転職で作業療法士を目指す方も珍しくありません。

作業療法士は将来性のある職業ですか

高齢化社会の進展に伴い、作業療法士の需要は今後も増加が見込まれています。厚生労働省の推計では2025年時点で必要とされる作業療法士の数はおよそ11万人とされています。

現在の従事者数と照らし合わせると供給はほぼ充足しつつある分野もありますが、在宅領域・精神科領域・小児領域では依然として作業療法士が不足している地域も多くあります。また、予防領域や産業リハビリテーションの分野でも作業療法士の活躍の場が広がりつつあり、作業療法士としての仕事内容はますます多様化しています。