不動産営業とはどのような仕事なのかを解説します。また不動産営業の仕事内容や働き方、必要な資格、平均年収、きつい点、向いている人について具体的に解説します。不動産営業を初めて調べる人はぜひ参考にしてみてください。

いきなり結論!不動産営業とはどんな仕事?
不動産営業とは、土地や建物、マンションなどの不動産を顧客に販売したり、賃貸物件を紹介したりすることを主な業務とする仕事です。
顧客の要望や生活スタイル、予算をていねいにヒアリングし、最適な物件を提案することが中心的な役割となります。
単に物件を売るだけでなく、顧客のライフプランや将来設計にまで深く寄り添うことが求められる、非常に人間味あふれる仕事といえます。
不動産営業の主な役割
不動産営業の主な役割は、顧客と物件をつなぐ架け橋となることです。
住宅を初めて購入する若い夫婦から、老後の住まいを探すシニア世代、投資目的で物件を探すビジネスパーソンまで、幅広い層のニーズに応えます。
顧客ひとりひとりの状況をしっかりと把握しながら、長期的な信頼関係を築いていくことが不動産営業としての大切な役割です。
不動産営業が担当する業務
不動産営業が担当する業務は多岐にわたります。
顧客との商談や物件の内覧案内はもちろんのこと、契約書類の作成や金融機関との連携、引き渡し後のアフターフォローまで幅広く対応します。
また新規顧客の開拓として電話営業やチラシの配布、インターネット広告の活用なども担当することが多く、営業活動のほぼ全体を一手に引き受けることが求められます。
不動産営業が働く主な職場
不動産営業が働く主な職場としては、不動産仲介会社や不動産販売会社、ハウスメーカー、デベロッパーなどがあります。
不動産仲介会社では既存の物件を顧客に紹介する業務が中心となり、ハウスメーカーでは注文住宅の提案から打ち合わせ、建築後のフォローまで関わることもあります。
デベロッパーはマンションや住宅地の開発から販売まで手がける企業であり、より大規模なプロジェクトに不動産営業として携わることができます。
不動産営業の仕事内容
不動産営業の仕事内容は、大きく分けて新規顧客の獲得、物件提案、契約締結、アフターフォローの4つのフェーズで構成されています。
新規顧客の獲得では、不動産ポータルサイトへの物件掲載や電話営業、折り込みチラシの配布などを通じて問い合わせを集めます。
問い合わせが来た顧客に対しては、まず詳細なヒアリングを行い、希望エリアや予算、間取り、生活スタイルなどの条件を丁寧に把握することが大切です。
条件が整ったら実際に物件を案内し、顧客の反応を確認しながら最適な提案を重ねていきます。
成約に至った場合は宅建士による重要事項説明を行い、売買契約書や賃貸借契約書を作成して署名と捺印をいただきます。
その後も住宅ローンの手続きサポートや引き渡し準備、入居後のトラブル対応など、契約後も顧客と長く関わることが不動産営業の仕事の大きな特徴です。
顧客の中には物件を何度も見比べてなかなか決断できない方もいるため、不動産営業には忍耐力と提案力の両方が求められます。
物件を紹介するだけでなく、資金計画のアドバイスや周辺環境、学区、交通アクセスなどに関する情報提供も不動産営業の重要な業務のひとつです。
不動産営業の1日の仕事の流れ
忙しい日の仕事の流れ
不動産営業の繁忙期や週末は、1日に複数の物件案内や商談が立て込むことも珍しくありません。
朝9時に出社して当日のスケジュールを確認し、午前中は新規顧客への電話フォローや問い合わせへの返答対応を行います。
昼前から午後にかけては顧客と現地で待ち合わせをして物件の内覧案内を行い、1日に3件から4件の内覧をこなすこともあります。
内覧後は喫茶店や社内で商談を行い、顧客の疑問や不安をひとつひとつ解消しながら成約に向けた提案を続けます。
夕方以降は商談の振り返りや書類作成、翌日の準備を行い、遅い場合は夜の20時から21時ごろまで残業することもあります。
土日は特に問い合わせが集中しやすく、週末をフル活用して顧客対応に当たることが多いのが不動産営業の繁忙期の特徴です。なお多くの不動産会社では週末に働く分、火曜日や水曜日を定休日として設けており、平日に休みを取る働き方が一般的です。
比較的落ち着いた日の仕事の流れ
平日の閑散期は比較的ゆとりを持って業務を進めることができます。
朝9時に出社後、メールの返信や物件情報の更新、ポータルサイトへの掲載内容の見直しなどを行います。
午前中から昼にかけては社内勉強会や新しい物件の情報収集、過去の顧客へのフォロー連絡を行うことが多いです。
午後は先輩社員や上司との案件共有ミーティングを行い、進行中の案件の課題や次のアクションを整理します。
夕方以降は書類整理やデータ入力、翌週のアポイント取得活動などを行い、比較的定時に退社できる日もあります。
このような余裕のある日を活用して宅建士などの資格勉強に取り組む不動産営業パーソンも多く、スキルアップの機会として有効に活用しています。
不動産営業に必要な資格や経験
不動産営業として働くにあたって、必ずしも特定の資格が必須というわけではありません。
しかし実際の現場では、宅地建物取引士、通称で宅建士と呼ばれる資格の保有者が高く評価される傾向があります。
宅建士は不動産取引において重要事項説明を行うために法律上必要な国家資格であり、不動産会社は従業員5名に対して1名以上の有資格者を配置する義務があります。
宅建士の試験合格率はおよそ15%から17%程度であり、毎年20万人以上が受験する人気の国家資格です。
合格には500時間から600時間程度の学習時間が目安とされており、独学でも取得可能ですが、通信講座や専門スクールを活用する人も多くいます。
宅建士以外にも、ファイナンシャルプランナーであるFPの資格は顧客への住宅ローンや資金計画のアドバイスに役立つため、不動産営業の現場で重宝されています。
FP技能士の2級や3級であれば比較的取得しやすく、不動産営業のキャリアアップを目指す人には取得をおすすめします。
マンション管理士や管理業務主任者の資格は、マンション管理に特化した業務を行う際に強みを発揮できる資格として知られています。
経験面では、接客業や金融業、保険業、自動車販売など他業界での営業経験が不動産営業への転職において評価されることが多くあります。コミュニケーション力や提案力が身についていれば、業界未経験であっても十分に活躍できる可能性があります。
不動産営業の平均年収と給料
不動産営業の平均年収は、おおよそ400万円から600万円程度といわれています。
ただし会社の規模や勤務地、担当する物件の種類、個人の成績によって大きく異なるため、一概にはいえません。
東京都内や関東圏の大手不動産会社に勤務する不動産営業の場合、インセンティブを含めると年収が800万円から1000万円を超えるケースも珍しくありません。
特に新築マンションの分譲や大型の土地売買を扱う不動産営業では、1件の成約で数十万円から100万円以上のインセンティブが支払われることもあります。
一方、地方の中小不動産会社では基本給が低めに設定されていることが多く、平均年収は300万円台から400万円台にとどまるケースも見られます。
賃貸仲介営業の場合は成約単価が低い分、件数をこなすことで収入を積み上げる形となり、平均年収は300万円から450万円程度が相場です。
不動産営業の給与体系は固定給プラスインセンティブ制が一般的であり、自分の成果が直接収入に反映されやすい業界です。
都市部と地方の差だけでなく、同じ会社の中でも実力次第で年収に大きな差が生まれるのが不動産営業の特徴であり、努力次第で高収入を目指せる可能性を秘めています。
不動産営業のきつい点とやりがい
不動産営業がきついといわれる理由のひとつは、営業ノルマのプレッシャーです。
多くの不動産会社では月間や四半期ごとの営業目標が設定されており、目標を達成できない場合には上司からのフィードバックや精神的な負担を感じることがあります。
また土日や祝日が繁忙期となるため、友人や家族との時間が確保しにくいというライフスタイル面での悩みを抱える不動産営業も少なくありません。
長期間かけて進めてきた商談が直前でキャンセルになったり、購入を検討していた顧客が他社で決めてしまったりするといった精神的な辛さも、不動産営業ならではの苦労のひとつです。
高額な物件を扱う場合は顧客の慎重さも増すため、何度も訪問や説明を繰り返した末に断られることも不動産営業の現場では珍しくありません。
しかし不動産営業には大きなやりがいもあります。
顧客が長年夢見ていたマイホームを手に入れた瞬間に立ち会えることや、心からの感謝の言葉をいただいたときの喜びは、ほかの業界ではなかなか味わえないものです。
成果が収入に直結する仕組みがあるため、努力した分だけ年収が増えていくという実感を持てることも、不動産営業に魅力を感じる人が多い理由のひとつです。
顧客の人生における大きな決断をサポートできるという使命感も、不動産営業を続ける大きなモチベーションになっています。
不動産営業に向いている人
不動産営業に向いている人の特徴として、まずコミュニケーションを取ることが好きな人が挙げられます。
顧客と長期にわたって関係を築いていく仕事であるため、人と話すことへの抵抗が少なく、相手の話をしっかりと聞ける傾聴力のある人は活躍しやすいです。
また数字に対して前向きに取り組める人も不動産営業に向いています。
ノルマや目標数字がつきまとう仕事ですが、それをプレッシャーと感じるよりも自己成長の指標として前向きに捉えられる人は成果を出しやすい傾向があります。
粘り強さも不動産営業に欠かせない資質のひとつです。
成約に至るまでに時間がかかることも多く、何度も断られても諦めずに顧客と向き合い続けられる精神的な粘り強さが求められます。
不動産は法律や税金、住宅ローンなど幅広い専門知識が必要な分野であるため、勉強が好きで自己研鑽を欠かさない人も不動産営業として長く活躍できます。
土日も積極的に動ける体力と意欲があり、成果をしっかりと収入につなげたいと考えている人には、不動産営業はとても向いている職種といえます。
また誠実さと誠意を持って顧客に接することができる人も、長期的に信頼を積み重ねることができるため、不動産営業に向いているといえます。
不動産営業に関するよくある質問
不動産営業は未経験でも転職できますか
不動産営業は未経験からでも転職できるケースが多いです。
特に賃貸仲介の営業職は未経験可の求人が多く、20代や30代であれば未経験からスタートしている人も多くいます。
入社後に宅建士の資格取得を会社がサポートしてくれるケースも多いため、まずは資格の勉強を始めながら求人を探してみることをおすすめします。
不動産営業の離職率は高いですか
不動産営業は他業界と比較して離職率がやや高い職種とされています。
ノルマや土日勤務、インセンティブ制度によるプレッシャーが主な原因とされており、入社から1年以内に退職する人も一定数います。
ただし自分に合った会社選びができれば長く活躍できる職種でもあり、大手企業を中心に働き方改革が進んでいる会社も増えてきています。
宅建士の資格は不動産営業で必須ですか
宅建士は必須資格ではありませんが、取得することで年収アップや昇進につながることが多く、不動産営業として長く働くうえでは取得しておいて損のない資格です。
多くの不動産会社では宅建士手当として月額1万円から3万円程度を支給しており、年間で最大36万円ほどの収入増加につながります。
不動産営業としてのキャリアを本格的に考えるなら、早い段階から宅建士の取得を目指すことをおすすめします。
不動産営業の将来性はありますか
不動産業界は日本の人口減少や空き家問題などの課題を抱えていますが、不動産営業の需要は引き続き高い水準にあります。
住まいは人の生活に欠かせないものであり、賃貸から売買まで幅広いニーズが常に存在します。
また近年はIT化が進みオンライン内覧やデジタル契約が普及しているため、最新のツールを使いこなせる不動産営業はより重宝される存在となっています。

