電気工事士になるには何が必要なのかを解説します。また必要な資格や経験、未経験から目指す方法、求人の探し方、転職までの流れについて具体的に解説します。電気工事士を目指す人はぜひ参考にしてみてください。
電気工事士は私たちの生活に欠かせない電気設備を支える専門職です。家庭の照明からオフィスビルの電気設備、工場の大型電気機器まで、あらゆる場面で電気工事士が活躍しています。
この記事では電気工事士になるために何が必要か、未経験から目指す方法や資格の取り方、転職までの流れについて詳しく解説します。
電気工事士を目指している方はぜひ最後まで参考にしてみてください。

いきなり結論!電気工事士になるには何が必要?
電気工事士になるには、電気工事士法に基づく国家資格の取得が必要です。住宅や商業施設など私たちの生活に欠かせない電気設備の工事を行うには資格が義務付けられており、無資格での電気工事は法律で禁止されています。
電気工事士の資格には第二種と第一種の2種類があります。まず第二種電気工事士を取得し、実務経験を積みながら第一種電気工事士を目指すのが一般的なルートです。
未経験からでも目指せる職業であり、資格取得を支援する企業も多いため、電気の知識がゼロの方でも電気工事士として活躍できる環境が整っています。
未経験から電気工事士になる方法
第二種電気工事士の試験には学歴や年齢、実務経験の制限がなく、誰でも受験できます。そのため電気の知識が全くない状態からでも十分に目指せる資格です。
多くの場合、まず電気工事会社や設備会社に就職し、働きながら勉強して資格を取得するルートが選ばれます。会社によっては受験費用の負担や資格手当の支給など、資格取得を積極的に支援する制度を設けています。
資格を持たない状態での入社でも、現場での経験を積みながら学ぶことができ、先輩電気工事士のサポートのもとで少しずつ技術を身につけていけます。入社後おおよそ半年から1年で第二種電気工事士を取得する方が多いです。
資格を取って電気工事士を目指す方法
資格を先に取得してから就職・転職活動を行う方法もあります。第二種電気工事士の試験は年2回(上期と下期)実施されており、筆記試験と技能試験の2段階で合格を目指します。
筆記試験の合格率はおおよそ60%前後で、技能試験の合格率はおおよそ70%から75%程度となっています。しっかりと勉強すれば未経験からでも十分に合格を狙える試験です。
資格を持った状態で就職活動を行うと採用担当者への印象が格段に良くなり、未経験でも採用されやすくなります。先に資格を取得してから就職するというルートも電気工事士を目指す有効な方法の一つです。
経験を活かして電気工事士を目指す方法
電気や設備に関連する仕事の経験がある方は、その知識を活かして電気工事士を目指すことができます。
空調設備や消防設備、建築設備、通信工事などの関連分野での経験は、電気工事士の試験勉強にも役立ちます。基礎的な電気知識がある分、学習期間を短縮できる可能性があります。
また転職の際にも関連業種での経験が高く評価されます。即戦力として期待されるため採用率が上がり、給与交渉でも有利に働くことがあります。第二種電気工事士に加えて第一種電気工事士の取得も早期に視野に入れることで、よりスムーズなキャリアアップが期待できます。
電気工事士になるために必要な資格
電気工事士として働くために必要な資格として、まず第二種電気工事士と第一種電気工事士の2種類があります。
第二種電気工事士は、一般住宅や小規模な商業施設など600ボルト以下の低圧電気設備の工事が対象です。日常生活に最も身近な住宅の電気配線工事などを担当でき、電気工事士としてのキャリアのスタートラインとなる資格です。
第一種電気工事士は、最大電力500キロワット未満の工場やビル、マンションなど、より大規模な施設の電気工事が可能になる資格です。第一種を取得することで担当できる工事の範囲が広がり、活躍の場が大幅に増えます。試験合格後に3年以上の実務経験が必要であるため、第二種で経験を積んでからステップアップするのが一般的です。
さらにキャリアアップを目指すには電気工事施工管理技士の取得がおすすめです。1級電気工事施工管理技士を取得すると、大型工事の主任技術者や監理技術者として工事全体を管理する立場になれます。都市部では年収600万円から700万円以上を目指せるケースもあり、年収も大幅に上昇する傾向があります。
電験三種(第三種電気主任技術者)は電気工事士とは別の資格ですが、取得することで電気設備の保安管理業務にも携わることができます。電気工事士と電験三種を両方保有する人材は転職市場での需要が高く、評価も高くなる傾向があります。
電気工事士になるまでの流れ
就職で目指すルート
新卒や職歴のない未経験者が電気工事士を目指す場合、電気工事会社や建設会社、設備工事会社への就職から始めるのが一般的です。
入社後は先輩電気工事士の指導のもとで現場経験を積みながら、資格取得の勉強を並行して進めます。多くの企業が受験費用の補助や資格手当の支給、勉強時間の確保といった支援体制を整えています。
就職後おおよそ半年から1年以内に第二種電気工事士を取得し、その後3年以上の実務経験を積んで第一種電気工事士の免状交付を受けるのが典型的な就職ルートです。さらに施工管理技士の取得を経てキャリアを積み上げることで、将来的に現場監督や管理職として活躍できます。
転職で目指すルート
他業種から電気工事士への転職を目指す場合、転職活動を始める前に第二種電気工事士を取得しておくことが大変有効です。
資格を持った状態で転職活動を行うと、未経験であっても採用担当者の評価が高くなります。電気工事会社は資格保有者を優先的に採用したいと考えていることが多く、採用率が大幅に向上します。
転職エージェントや求人サイトを活用することで、未経験者歓迎の求人や資格取得支援のある求人を効率的に探せます。電気工事や建設業界に特化した転職エージェントを利用すると、業界の実情や給与相場に詳しいアドバイスを受けられ、希望条件に合った転職先を見つけやすくなります。
電気工事士になるための勉強内容
第二種電気工事士の筆記試験では、電気理論、電気工事の施工方法、電気機器や材料の知識、配線図の読み取り、電気工事に関する法令など幅広い内容が出題されます。
試験は100点満点で60点以上が合格ラインです。計算問題は苦手とする受験者が多いですが、出題パターンが限られているため過去問を繰り返し解くことで対策できます。配線図の読み取り問題は毎回必ず出題されるため、重点的に学習することが大切です。
技能試験では実際に工具を使って電気配線や接続を行います。受験前に候補問題が公表されるため、事前に練習計画を立てやすいです。電線の接続や電気器具の取り付けなど正確さとスピードが求められるため、繰り返し実技練習を行うことが合格への近道です。
独学で勉強する場合、市販のテキストや過去問集を中心に1日1時間から2時間の勉強を3ヶ月から6ヶ月継続することで合格を目指せます。通信講座を活用する方法もあり、映像講義を使って効率よく学べます。また電気工事士向けの専門学校やポリテクセンター(職業能力開発促進センター)のコースを利用することも選択肢の一つです。
電気工事士になるために必要な実務経験
第二種電気工事士の資格は試験に合格するだけで免状が交付されますが、第一種電気工事士の場合は試験合格に加えて3年以上の実務経験が必要です。
実務経験として認められるのは、電気工事士の資格を持って実際に電気工事に従事した期間です。第二種電気工事士として現場で働いた期間がそのまま実務経験として認められるため、第二種を取得後すぐに現場での業務を始めることが第一種への最短ルートにつながります。
現場での経験を積む中で、住宅の内線工事から商業施設の分電盤工事、工場や病院の大規模な電気設備工事まで多様な現場を経験することが大切です。幅広い現場経験を持つ電気工事士は転職市場でも高く評価されます。
大手電気工事会社での実務経験は多様な工事への参加機会が多く、技術力向上において有利な面があります。一方で中小の電気工事会社では早い段階から幅広い業務を担当できるケースも多く、経験の幅という点で有利な場合もあります。自分のキャリア目標に合わせて就職先を選ぶことが重要です。
電気工事士として就職する方法
電気工事士として就職するには、転職サイトや求人サイトを活用する方法が一般的です。大手求人サイトには電気工事士向けの求人が多数掲載されており、未経験者歓迎の求人も豊富にあります。
ハローワーク(公共職業安定所)でも電気工事士の求人を多数扱っており、地域密着の求人情報が充実しています。特に地方での就職を検討している場合、地元の電気工事会社の求人をハローワークで探すことは有効な方法です。
転職エージェントを活用する方法も非常に効果的です。電気工事や建設業界専門のエージェントであれば、非公開求人の紹介や面接対策のサポートも受けられます。複数のエージェントや求人サービスを並行して利用することで、より多くの選択肢から就職先を選べます。
電気工事士の年収は経験や保有資格、勤務地域によって大きく異なります。東京や大阪などの都市部では平均年収が450万円から550万円程度が相場とされており、第一種電気工事士や施工管理技士の資格を持つ経験豊富な人材は600万円以上を目指せるケースもあります。一方、地方では350万円から450万円程度が一般的な年収帯です。ただし地方は生活費が低い分、実質的な生活水準が都市部と大きく変わらない場合もあります。
電気工事士になる前に知っておくべき注意点
電気工事士の仕事は体力的な負担が大きいことを事前に理解しておく必要があります。屋外での作業や狭いスペースでの施工、重い工具や材料を運ぶ作業が多く、日々の仕事で相当な体力を使います。天候に関わらず現場作業が続くこともあり、夏場の炎天下や冬場の寒冷な環境での作業も日常的にあります。
安全管理への高い意識が常に求められます。電気工事は感電や電気火災などのリスクを伴う危険な作業であるため、資格取得後も継続的に安全知識を更新し、作業手順やルールを徹底することが必要です。少しの不注意が重大な事故につながる可能性があるため、プロとしての安全意識が欠かせません。
建設業界全体の傾向として繁忙期に残業が増えることがあります。特に年度末や大型工事の竣工前は工事が集中し、長時間勤務になることも少なくありません。ただし繁忙期を乗り越えることで収入が増えるというメリットもあります。
第一種電気工事士の免状には5年ごとに定期講習の受講が義務付けられています。資格を維持するためのコストや時間を事前に把握しておくことが大切です。資格維持の費用や手続きを計画的に管理することで、長く安心して電気工事士として働き続けられます。
電気工事士に関するよくある質問
電気工事士の試験に受験資格はあるかという質問をよく受けます。
第二種電気工事士の試験には年齢や学歴、実務経験などの受験制限が一切ありません。中学生から定年後の社会人まで誰でも受験でき、40代や50代から電気工事士を目指す方も多くいます。年齢を理由に諦める必要は全くありません。
第一種電気工事士の試験についても受験資格の制限はありませんが、試験合格後の免状交付には3年以上の実務経験が必要な点は覚えておいてください。
電気工事士の試験はどのくらい難しいかという質問もよく寄せられます。
第二種電気工事士の筆記試験の合格率はおおよそ60%前後であり、正しく勉強すれば合格できる難易度です。独学で3ヶ月から6ヶ月程度学習することで合格する方も多く、過去問を中心に学習することが効果的です。技能試験は候補問題が事前に公表されるため対策がしやすく、合格率はおおよそ70%から75%程度となっています。
女性が電気工事士として活躍できるかという質問も増えています。
近年は建設業界全体で女性の活躍推進が進んでおり、女性電気工事士の数も増加しています。工具や機材の改良が進み体力的な負担が軽減されているほか、女性が働きやすい環境整備に取り組む企業も増えています。性別にかかわらず活躍できる職業であり、電気工事士を目指す女性にとっても十分にチャンスのある分野です。

