通関士の実施の難易度を解説します。また通関士のレベルや合格にかかる勉強時間や合格率や他の資格との難易度の比較についてそれぞれ具体的に解説します。通関士を取得したいと考えている人はぜひ参考にしてみてください。
いきなり結論!通関士の難易度
結論として、通関士の難易度は合格率10%から20%程度の難関試験です。
通関士の合格率と合格ライン
通関士試験の合格率はおよそ10%から20%程度で推移しています。
つまり、合格できる受験者は5人に1人以下という水準です。
すべての科目で満点の60%以上を取る必要があり、1科目でも基準点を下回ると不合格になります。これが通関士の偏差値が高めに見える理由のひとつでもあります。
また、合格率の数字には科目が一部免除された受験者も含まれているため、3科目すべてを受験した人だけで見ると合格率はさらに低くなります。
通関士試験は年度によって合格率にばらつきがあり、2016年度は9.8%と最低水準になった一方で、2023年度は24.2%と最高水準を記録しています。
直近の2025年度の合格率は15.1%で、受験者数は6,322名、合格者数は954名でした。
通関士の取得にかかる勉強時間
通関士試験に合格するために必要な勉強時間は、およそ500時間が目安とされています。
他の国家資格と比べると、社会保険労務士が1,000時間、行政書士が600時間から1,000時間とされているため、通関士はそれらよりも少ない勉強時間で合格を狙える試験といえます。
ただし、宅地建物取引士の300時間から400時間と比べると、通関士のほうが多くの勉強時間が必要です。
500時間という数字は、1日2時間の勉強を続けた場合におよそ8ヶ月から9ヶ月にあたります。
社会人や学生でも計画的に取り組めば、1年以内の合格も十分に現実的な目標です。
通関士の難易度と他の資格試験の難易度を比較
通関士と行政書士の難易度を比較
行政書士の難易度は通関士よりも高めです。
行政書士の合格率は例年11%から15%程度で推移しており、通関士とほぼ同水準ですが、必要な勉強時間が600時間から1,000時間と通関士の約1.5倍から2倍かかります。
行政書士は憲法や行政法、民法など複数の法令科目を幅広く深く学ぶ必要があり、学習範囲の広さが難易度を押し上げています。
通関士と行政書士はどちらも偏差値60前後の難易度と見なされることが多く、MARCHレベルの大学入試に相当するといわれています。
どちらを先に取得するかを検討している場合は、通関士から始めるほうが取り組みやすいかもしれません。
通関士と社労士の難易度を比較
社会保険労務士(社労士)の難易度は通関士よりも明らかに高いといえます。
社労士の合格率は例年6%から7%程度で、通関士よりも低い水準が続いています。
合格に必要な勉強時間も1,000時間程度と、通関士の約2倍かかります。
社労士は労働基準法や健康保険法など複数の法律を横断的に学ぶ必要があり、暗記量も非常に多いです。
偏差値でいえば社労士はMARCH上位から早慶下位レベルに相当するとも言われており、通関士よりワンランク上の難しさがあります。
通関士とFP(ファイナンシャルプランナー)の難易度を比較
FP2級の合格率は20%から60%と幅が広く、通関士よりも合格しやすい試験です。
必要な勉強時間も150時間から300時間程度と、通関士の半分以下で済みます。
FPは金融や保険、税金など身近なお金の知識を問う試験であり、専門用語の難しさや問題の複雑さは通関士より低めといえます。
偏差値でいえばFP2級は日東駒専レベルに相当するともいわれており、通関士のほうが明らかに難易度が上です。
資格取得のステップとして、まずFPで勉強の習慣をつけてから通関士に挑戦する人もいます。
通関士と中小企業診断士の難易度を比較
中小企業診断士は通関士と同程度かそれ以上の難易度といわれています。
合格率は一次試験と二次試験を合わせると最終的に5%から8%程度になるため、通関士よりも難しい試験です。
必要な勉強時間は1,000時間から1,500時間程度とされており、通関士の倍以上の準備が求められます。
偏差値でいえば中小企業診断士はMARCH上位から早慶レベルに近いとも評価されており、通関士よりもワンランク難しい位置づけです。
通関士と比較して業務範囲や学習内容が大きく異なるため、目指す仕事の方向性に合わせて選ぶことが大切です。
通関士と司法書士の難易度を比較
司法書士は通関士よりもはるかに難易度が高い試験です。
合格率は例年3%から4%程度と非常に低く、必要な勉強時間も2,000時間から3,000時間程度といわれています。
通関士の合格率10%から20%と比べると、司法書士の難しさは一目瞭然です。
偏差値でいえば司法書士は早慶上智レベルに相当するともいわれており、国家資格の中でも最上位クラスの難易度に位置しています。
通関士と比較すること自体が難しいほどの差があるため、どちらを受験するか迷っている場合は自分のキャリア目標に合わせて慎重に検討するようにしましょう。
通関士の難易度が高い、難しい理由3選
通関士試験の難易度が高い理由は大きく3つあります。
1つ目は、3科目すべてで合格基準点をクリアする必要があることです。
通関業法、関税法等、通関実務の3科目すべてで満点の60%以上を取らなければならず、1科目でも基準点を下回ると即不合格になります。得意科目だけを伸ばしても合格できない仕組みになっているため、バランスよく学習しなければなりません。
2つ目は、選択肢が非常に多い問題形式です。
択一式の問題では15個の選択肢の中から正解を1つ選ぶ形式があり、単純な勘や消去法が通用しにくい構造になっています。選択肢が多いほど正解する確率は下がるため、確実な知識が求められます。
3つ目は、専門用語の多さです。
通関業務に特有の言葉や法律用語が多数登場するため、日常生活や大学受験の勉強では触れることのない概念を一から理解する必要があります。専門用語の習得に時間がかかることが、通関士の偏差値が高くなる一因です。
通関士に合格するための勉強のポイント4選
通関士に合格するために意識してほしい勉強のポイントを4つ紹介します。
1つ目は、3科目を並行して学習することです。
先述のとおり、すべての科目で合格基準点を超える必要があるため、1科目に集中しすぎると他の科目でつまずくリスクがあります。毎日少しずつでも3科目に触れる習慣をつけることが大切です。
2つ目は、過去問を繰り返し解くことです。
通関士試験は出題パターンが比較的安定しているため、過去問を繰り返し解くことで出題の傾向や頻出テーマをつかむことができます。5年分から10年分の過去問を繰り返し解くことで、合格に必要な知識が定着します。
3つ目は、専門用語を早めに覚えることです。
専門用語に慣れていないと、問題文を読んだだけで内容が理解できずに時間を大量に消費してしまいます。学習の初期段階で重要な用語を一通り押さえておくと、その後の勉強がスムーズに進みます。
4つ目は、通関実務の計算問題に力を入れることです。
通関実務では課税価格の計算など、数字を扱う問題が出題されます。配点が高く、確実に得点できれば合格に大きく近づくため、計算問題の演習を早めにスタートさせることをおすすめします。
通関士にかかる勉強時間を大学受験の偏差値や他の試験と比較
通関士の合格に必要な勉強時間は500時間程度です。
これを大学受験に置き換えると、MARCHレベルの大学合格を目指す場合の勉強時間に近いイメージです。MARCHに合格するためには高校1年生からコツコツ積み上げると1,500時間から2,000時間程度かかるともいわれていますが、受験勉強の集中期間だけで換算するとおよそ500時間から600時間という見方もあります。
他の資格試験と比較すると、税理士試験に合格するための勉強時間は2,500時間から3,500時間、司法書士は2,000時間から3,000時間、社労士は1,000時間程度とされており、通関士の500時間はこれらと比べるとずっと少ない水準です。
一方で宅建の300時間から400時間と比べると通関士のほうが200時間前後多く必要であり、簡単な試験とは言い切れません。
FP2級の150時間から300時間と比べても通関士のほうが倍以上の準備が必要なため、計画的なスケジュール管理が合格のカギになります。
通関士の難易度を大学受験の偏差値や他の試験と比較
通関士の難易度を大学受験の偏差値に例えると、MARCHレベルに相当するといわれています。
具体的には明治大学や中央大学、青山学院大学などの入試難易度と同等の水準と考えると、通関士の偏差値がどのくらいかイメージしやすいでしょう。
偏差値70以上とされる東京大学や京都大学レベルに相当するのは司法試験や予備試験、偏差値65から67の早慶上智レベルには不動産鑑定士や司法書士が相当するといわれています。
通関士はその一段下のMARCHレベル、偏差値60から64の水準に位置しており、中小企業診断士や社労士、行政書士などと同じグループに分類されることが多いです。
偏差値55から56の日東駒専レベルに相当するのは宅建や管理業務主任者などであり、通関士はそれらより一段難しい試験という認識が広まっています。
通関士も含めた難関資格のランキング表
| 順位 | 資格名 | 難易度 | 偏差値 | 取得にかかる勉強時間 |
|---|---|---|---|---|
| 1位 | 司法試験・予備試験 | 最難関 | 70以上 | 8,000時間以上 |
| 2位 | 司法書士 | 非常に難しい | 65〜67 | 2,000〜3,000時間 |
| 3位 | 不動産鑑定士 | 非常に難しい | 65〜67 | 2,000〜3,000時間 |
| 4位 | 税理士 | 難しい | 63〜65 | 2,500〜3,500時間 |
| 5位 | 社会保険労務士 | 難しい | 62〜64 | 1,000時間程度 |
| 6位 | 中小企業診断士 | 難しい | 61〜63 | 1,000〜1,500時間 |
| 7位 | 行政書士 | やや難しい | 60〜62 | 600〜1,000時間 |
| 8位 | 通関士 | やや難しい | 60〜62 | 500時間程度 |
| 9位 | 宅地建物取引士 | 普通 | 55〜57 | 300〜400時間 |
| 10位 | 簿記2級 | 普通 | 54〜56 | 200〜350時間 |
| 11位 | FP2級 | やや易しい | 50〜53 | 150〜300時間 |
| 12位 | 貿易実務検定B級 | やや易しい | 48〜50 | 150〜250時間 |
| 13位 | 貿易実務検定C級 | 易しい | 45〜47 | 100〜150時間 |
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