第一種電気主任技術者の試験を受験するために必要な受験資格について解説します。また第一種電気主任技術者の価値や合格したらできることや実際の仕事内容についても合わせて解説します。第一種電気主任技術者に合格するためのやるべき勉強の順番から具体的や勉強スケジュールの目安も合わせて解説します。
いきなり最終結論!第一種電気主任技術者に必要な受験資格
第一種電気主任技術者の試験には受験資格の制限がありません。年齢や学歴、実務経験を問わず、誰でも受験することができます。この点は第二種や第三種電気主任技術者と同様で、試験への参入障壁は設けられていません。
ただし、第一種電気主任技術者の免状を取得するためには、試験合格後に実務経験が必要です。電気主任技術者として5年以上の実務経験を積むことで、免状の交付申請ができるようになります。
試験合格後も免状取得には時間がかかるため、第一種電気主任技術者を目指す方は試験勉強と並行して、実務経験を積める職場環境についても早めに確認しておくことをおすすめします。
第一種電気主任技術者は難しい?実際の難易度
合格率から見る難易度
第一種電気主任技術者の最終合格率は、一次試験と二次試験をあわせておよそ3%前後で推移しています。電気系資格の中でも最高峰に位置する難関資格であり、第三種電気主任技術者の合格率が8%から10%程度であることと比較しても、その難しさがわかります。
一次試験は理論・電力・機械・法規の4科目で構成され、科目合格制度が設けられています。二次試験は電力・管理と機械・制御の2科目で、論述形式の問題が出題されます。単なる暗記だけでなく深い理解と応用力が求められるため、難易度は非常に高いです。
他の電気主任技術者資格との比較
第一種電気主任技術者は第二種電気主任技術者と比べても難易度が高く、第二種の合格率がおよそ5%から6%程度であるのに対し、第一種はさらに低い合格率となっています。取り扱える電気工作物の範囲が制限なく最も広いだけあって、求められる知識の深さと広さは格別です。
第一種電気主任技術者は電力会社や大規模施設での需要が高く、希少性の高い資格として評価されています。難易度の高さを乗り越えた先に、大きなキャリアの可能性が広がっています。
第一種電気主任技術者の合格までにかかる平均的な勉強時間・期間
必要な勉強時間の目安
第一種電気主任技術者に合格するために必要な勉強時間は、1000時間から1500時間以上が目安です。電気系の基礎知識がある方でもこれだけの時間が必要であり、未経験者の場合はさらに長い学習期間を要することがあります。
1日2時間の学習を継続した場合、1000時間に到達するまでに約500日、つまり1年半程度かかります。第一種電気主任技術者は複数年での受験を前提に、計画的に学習を進めることが一般的なアプローチです。
合格までの平均期間
第一種電気主任技術者に合格するまでの平均期間は2年から4年程度とされています。一次試験の科目合格制度を活用しながら、合格科目を少しずつ積み重ね、最終的に二次試験の突破を目指すスタイルが主流です。
社会人が働きながら挑戦する場合は、3年から5年かけて合格を目指すことも珍しくありません。焦らず長期的な視点で学習計画を立てることが、第一種電気主任技術者合格への確実な道筋です。
第一種電気主任技術者の実際の仕事内容
保安管理業務
第一種電気主任技術者の主な仕事は電気工作物の保安管理です。発電所や変電所、大規模な工場やビルなど、高圧または特別高圧の電気設備を扱う施設において、設備の安全を管理します。
定期的な点検や巡視、設備の保守メンテナンスを行い、電気設備が安全に稼働し続けるよう監視します。設備の異常を早期に発見して事故を未然に防ぐことが、第一種電気主任技術者に求められる重要な役割です。
電気設備の設計・監理業務
第一種電気主任技術者は電気設備の設計や工事監理業務にも携わります。大規模な電力設備の新設や改修工事において、技術的な観点から安全性を確保するための業務を担います。
第一種電気主任技術者は取り扱える電圧や設備の規模に制限がないため、超高圧変電所や大型発電所など極めて広範囲の施設で活躍することができます。電気事業法の規定により一定規模以上の電気工作物を設置する事業者は電気主任技術者の選任が義務付けられており、第一種電気主任技術者の需要は常に安定しています。
保安管理法人での外部委託業務
第一種電気主任技術者の中には、保安管理法人に所属して複数の施設を外部委託で担当する働き方を選ぶ方もいます。自家用電気工作物の保安業務を専門に行う事業者として、複数のクライアントの施設を定期的に巡回して保安管理を行います。
この働き方は独立性が高く、経験を積んだ第一種電気主任技術者にとって魅力的なキャリアパスのひとつです。保安業務の専門家として多くの現場に携わることで、さらに高い技術力と判断力を磨くことができます。
第一種電気主任技術者になるまでの順番
ステップ1:電気工学の基礎知識を習得する
第一種電気主任技術者を目指す最初のステップは電気工学の基礎知識を固めることです。電気回路、電磁気学、電力システムなど幅広い分野の基礎をしっかりと理解することが出発点になります。
多くの受験者は第三種電気主任技術者の資格を先に取得してから第一種電気主任技術者を目指します。第三種の学習を通じて基礎を固めることで、第一種の学習をより効率的に進めることができます。
ステップ2:一次試験を突破する
基礎知識が身についたら第一種電気主任技術者の一次試験に挑戦します。理論・電力・機械・法規の4科目について過去問演習を中心に学習を進めます。科目合格制度を活用して複数年にわたり合格科目を積み上げていく戦略が有効です。
一次試験の各科目は合格した年の翌年と翌々年の試験で免除されます。得意な科目から確実に合格を積み重ねながら、苦手な科目に時間をかけて対策することが第一種電気主任技術者合格への近道です。
ステップ3:二次試験を突破する
一次試験に合格したら二次試験に向けた準備を進めます。電力・管理と機械・制御の2科目について論述形式の解答を書く練習を繰り返します。過去問の模範解答を参照しながら解答の構成と表現を磨いていくことが合格への鍵です。
第一種電気主任技術者の二次試験は年1回しか実施されないため、一発合格を目指した集中的な対策が求められます。試験本番を想定した時間管理の練習も欠かせません。
ステップ4:実務経験を積んで免状を取得する
第一種電気主任技術者試験に合格した後は、電気主任技術者として5年以上の実務経験を積んで免状の交付申請を行います。実務経験を積める職場への就職や転職を計画的に進め、免状取得まで見据えたキャリア設計が重要です。
第一種電気主任技術者になるために必要な勉強内容
理論科目の勉強方法
第一種電気主任技術者の理論科目では電気回路、電磁気学、電子回路などの理論的な内容が出題されます。公式の理解と導出を中心に学習を進め、計算問題に対応できる力をつけることが重要です。
第三種の理論と比較してより高度な数学的処理が求められます。微分・積分や線形代数などの数学的基礎を並行して復習しながら学習を進めることが効果的です。
電力・機械科目の勉強方法
電力科目では発電・変電・送配電に関する知識が問われます。電力システム全体の仕組みを体系的に理解することが、第一種電気主任技術者の合格に不可欠です。機械科目では電動機や変圧器、パワーエレクトロニクスなど幅広い機器の動作原理と特性の理解が求められます。
過去問を繰り返し解いて出題傾向を把握したうえで重要な分野を重点的に対策することが効率的な学習法です。第一種電気主任技術者の試験では第三種と比べて出題の難易度が高いため、より深い理解と応用力が必要になります。
二次試験の対策方法
第一種電気主任技術者の二次試験では論述形式で解答を作成します。計算問題と記述問題が出題されるため、答えを導くだけでなく解答の根拠を明確に説明できる力が必要です。
過去問の模範解答を参照しながら自分で解答を書く練習を繰り返すことが最も効果的な二次試験対策です。第一種電気主任技術者に特化した問題集や参考書を活用して効率的に対策を進めることをおすすめします。
第一種電気主任技術者に関するよくある質問
第一種電気主任技術者と第二種の違いは何ですか?
第一種電気主任技術者はすべての事業用電気工作物を監督できます。第二種電気主任技術者は電圧17万V未満の電気工作物に限定されます。取り扱える設備の規模が異なるため、第一種は発電所や超高圧変電所といった大規模施設にも対応できます。試験の難易度も第一種の方が高く、合格率でも大きな差があります。
独学で合格することはできますか?
独学での合格は不可能ではありませんが、非常に難易度が高いため通信講座や受験予備校を活用する受験者が多くいます。特に第一種電気主任技術者の二次試験は論述形式であるため、独学では対策が難しい面があります。添削指導が受けられる講座の利用を検討することをおすすめします。
合格後の年収はどのくらいですか?
第一種電気主任技術者の資格を持つ方の年収は経験やポジションによって異なりますが、600万円から900万円程度が一般的な水準です。電力会社や大手インフラ企業では資格手当や昇進によってさらに高い収入を得ている方もいます。第一種電気主任技術者は希少価値が高いため、転職市場での評価も高いです。
試験はいつ実施されますか?
第一種電気主任技術者の試験は年1回実施されます。一次試験は例年8月から9月頃、二次試験は11月頃に行われます。試験の実施日程は毎年変わることがあるため、受験を予定している方は電気技術者試験センターの公式発表を確認することをおすすめします。
電験三種を持っていると有利ですか?
第三種電気主任技術者の資格を持っていると第一種電気主任技術者の試験対策において有利です。第三種の学習を通じて電気工学の基礎が身についているため、第一種の高度な内容にもスムーズに対応できます。実際に第三種取得者が第一種電気主任技術者を目指すルートは非常に一般的です。
第一種電気主任技術者と類似資格との難易度比較ランキング
| 順位 | 資格名 | 難易度 | 偏差値 | 取得にかかる勉強時間 |
|---|---|---|---|---|
| 1 | 第一種電気主任技術者 | 最難関 | 72 | 1500時間以上 |
| 2 | 第二種電気主任技術者 | 難関 | 65 | 1000時間前後 |
| 3 | 1級電気工事施工管理技士 | やや難しい | 58 | 500時間前後 |
| 4 | 第三種電気主任技術者 | 普通 | 54 | 300時間から500時間 |
| 5 | 第二種電気工事士 | 易しい | 40 | 100時間前後 |

